産業保健師への転職の際に、持っていると有利な資格として「産業カウンセラー」がよくあげられます。
そんな資格持っていないけど、どうしよう…
不安になる人はたくさんいます。さて、この産業カウンセラーは果たして転職する前に取るべき資格なのでしょうか？
答えはノーだと思います。なぜなら産業保健師に内定してからとったほうが有効活用できるからです。
もしあなたが看護師をやりながら産業カウンセラーの資格をとるというのは、どういうことかをご紹介します。
産業カウンセラーとは
そもそも産業カウンセラーとは、職場でカウンセリングをおこなうカウンセラーのことです。
心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。
ポイント
一般社団法人日本産業カウンセラー協会が主催するもので、産業カウンセラー養成講座では、カウンセラーの基礎スキルである傾聴の技法・態度について実践を通して学びます。
養成講座では、とても質の高い内容を学ぶことができて本来ならぜひ取っていただきたいお勧めの資格です。
産業カウンセラーのHPはこちらから↓
①資格を取るまでが大変
転職活動のかたわらで産業カウンセラーの資格を取ろうと思うと時間的余裕がなくなります。
この養成講座のカリキュラムは6ヶ月コースと10ヶ月コースに分かれているのですが、そもそも6ヶ月もかけて学ぶのが大変です。
今ではフルオンラインでの受講もあり、自宅でも学習できるのですが、1日かけてみっちり受講するため疲れるのは間違いないです。また講座の途中で課題が出されるのですが、その課題がかなり時間をとられます。
看護師の仕事をやりながら、転職活動しながら、養成講座を受講しながら、私生活をエンジョイする…
…かなり大変でしょう。
一つ一つがハードなので、殆どの人は時間が足りなくなると思います。
そのため、転職のために色々と手を出すよりも、目の前の仕事やあなたの私生活を疎かにしないようにするべきかと思います。
②好きなタイミングで受講することができない
産業カウンセラーは受講スタート日が決まっており、講座受講日も既に指定されています。
受講時間が一定時間以上いかないと、筆記試験の資格が得られないので、予め予定を空けておく必要があります。また筆記試験日も決まっているため、その日まで試験勉強をしなければなりません。
ポイント
もしあなたがシフト制の病院で働いているのならシフトを調整してもらう必要があるでしょう。
なお、夜勤明けに受講するのはやめましょう。どんなに元気がある方でも、人の話を聞いたり話したりすると確実に睡魔に襲われます。
③臨床現場ではあまり役に立たない
産業カウンセラーは、本来産業保健に活かすためにある資格です。
養成講座では傾聴スキルを身につけるため、入院患者へ質の高い傾聴支援を提供することができます。
しかし産業カウンセラーは傾聴支援だけでなくキャリア形成支援や労働関係法規なども学習します。そのため産業カウンセラーとしての資格を余す事なく発揮できるわけではありません。
あなたに余力があるのなら養成講座を受講するのは良いと思いますが、決して無理はしないほうが良いでしょう。
心理系の資格をとるなら？
産業カウンセラーは転職の際に有利になるのは間違いありせん。しかし、説明した通り取得にはかなり労力がいる資格でもあります。
心理系の資格はいくつかありますが、ここでは３つのオススメの資格「心理相談員」と「アドラー心理学一級講座」「ダイエット心理士」をご紹介したいと思います。
心理相談員とは
心理相談員とは、中央労働災害防止協会が主催する研修で、職場のメンタルヘルス対策に必要な知識と心身両面に配慮した健康つくりについて学ぶことができます。
働きやすい職場作りのためにストレスに対する気づきの援助や、相談対応の技法などを学ぶことができるため、未経験でも即戦力として活躍することができるでしょう。
ポイント
産業医や衛生管理者以外の産業保健スタッフや労働安全衛生に興味のある労働者などが、そのキャリアアップの第一歩として目指すケースが多いです
看護師・保健師免許があれば受講することができ、受講日程も2日間のみなので、産業カウンセラーと比較すると取りやすい資格であると言えます。
受講日が決まっていることと、お値段はかかるのがやや欠点ですが、産業保健のメンタルヘルス対策の基本を学ぶには十分な内容だと言えます。
心理相談員のリンクはこちらから↓
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3100_sp04.html
アドラー心理学１級講座とは
アドラー心理学と言われると、看護学生時代にかすかな記憶があるけど、中身はすっかり忘れてしまっているのではないでしょうか。
アドラー心理学とは
アドラー心理学とは、オーストリア出身の精神科医・アルフレッド・アドラーによって提唱された心理学の体系です。
アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係である」としており、
この講座では、その悩みの根源を知り、幸せへの一歩を踏み出す方法が学べます。
講座のグッドポイント
１、オンライン講座だからいつでもどこでも！自分の生活スタイルに合わせた学習が可能
２、オンライン講座だから実現可能に！低予算・短期間で資格取得が目指せる
３、医療現場で必要とされる統合医療の知識に特化。日本統合医学協会が監修する幅広い知識が学べる
４、講座修了後には、スキルアップや独立開業に役立てられる日本統合医学協会の資格取得が目指せる
デメリットとしては、資格取得までに最大３ヶ月かかるところだと思います。
いつでもどこでも受講できるのであれば、デメリットはさほど気にならないかもしれません。
アドラー心理学講座は、受講することで自分自身を見つめるきっかけにもなり、医療現場でも日常でも職場でもあらゆる場面で活用できるのは、たとえ産業保健師を目指さなくても人生において糧になると思います。
アドラー心理学一級講座のリンクはこちらから↓
ダイエット心理士とは
産業カウンセラーとは少し系統は違う心理系の資格ですが、特定保健指導をはじめとした保健師業務に活躍できること間違いなしです。
こちらはダイエット心理士カウンセラー育成協会が主催するもので、「伝え方の心理学」を学ぶことができます。『心理』×『ダイエット』の基本的内容である3大要素（食事編、運動編、心理編）が全て学ぶことができます。
ダイエット心理士とは
①痩せる方法と②行動に移す方法（心の使い方）に精通しているダイエットカウンセリングのプロのこと
講座のグッドポイント
- 完全オンライン受講だから、いつでもどこでも受講可能
- 動画講義は582分（約9.7時間分）だから、比較的短時間で資格取得することができる
- 料金もオンラインだからこそ低予算で受講することができる
- 特定のダイエット対策を押し付ける講座ではなく「痩せる心理学」について学べる
産業カウンセラーや上記資格はどちらかというと「聴く技術」に比重を置いた心理系の資格なのですが、これは「伝える技術」を学び、対象者に実際に行動してもらえるようにします。
産業保健師の業務もまさにこの二つの技術をフル活用することが求められます。活用するうえで心理系の資格があるなしでは、仮に同じ技能を持っていたとしてもやはり信頼性に差が出るのは仕方のないことだと思います。
今回ご紹介した３つの資格はしっかりとした協会や団体が主催したものです。これらの信頼できる資格があれば、転職活動においても産業カウンセラーと同等に有利になると考えられます。
「聴く心理学」と「伝える心理学」の両方を学べると全てにおいて重宝するかもしれませんね
ダイエット心理士の資格取得はこちらから↓
産業カウンセラーは産業保健師になってから受講すべし
私が転職する際は産業保健師未経験で資格もたいしてありませんでしたが、企業から内定をもらうことができました。
そして、転職してから産業カウンセラーの資格をとりました。
私は産業カウンセラー養成講座を受講して本当に本当に良かったです。
養成講座は大変でしたが、医療職以外の仲間ができて楽しかった思い出がたくさんあります。
傾聴支援については学生時代に勉強していたのと、病棟でも傾聴支援をしているつもりでいました。しかし、私を含めて本物の傾聴支援を出来ている人は、実は殆どいないと思います。
養成講座を受講して初めて「傾聴とはまさにこのことか‼︎」と心で理解できた時は私の中でかなり衝撃的でした。養成講座を受講したことによって人生が変わったといっても過言ではありません。
また、養成講座で学んだ翌日に産業保健現場で活かすことができるのはとても効果的な学習方法だったと思います。
そのため産業保健師になれた暁には、産業カウンセラー養成講座を受講することを強くおすすめします。
もし、心理系の資格以外にも転職に使える資格はありますので、以下のサイトも参考にしてみてください。
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